![]() 東京大学 瀬川浩司 研究室
2025年度末で瀬川浩司教授が定年となるため、以下の予定で最終講義を行います。
〔申し込み方法〕会場参加は3月5日、オンライン参加は3月9日までに以下のフォームよりお申し込みください。(会場の収容人数に限りがありますので必ず参加申し込みをお願いします) 申し込みフォーム: https://forms.gle/QVTXXC5jDZRqJ1aMA カーボンニュートラルの実現に向けて、世界では再生可能エネルギーの導入拡大が急速に進みつつあります。日本でも2012年7月に再生可能エネルギー電力の固定価格買い取り制度が開始され、2025年3月時点で再生可能エネルギー電力は総電力需要の26.5%に達しています。その中でも、太陽光発電は日本の再生可能エネルギー電力の主力であり、総発電量の11.5%を占めています。しかしながら、平地面積が限られている日本では大規模太陽光発電の適地が少なくなっており、山林や湿原などを切り開いて設置するメガソーラーによる環境破壊も顕在化し、太陽光発電の導入拡大にブレーキがかかっています。また、こうしたメガソーラーは電力消費地から遠い土地代の安い地域に設置される傾向があり、既存の電力系統に負担がかかったり新たな電力系統整備に余分なコストがかかるといった問題もあります。このような課題を解決するためには、メガソーラーや屋根おき太陽電池だけでなくビルの壁や工場の屋根など何処にでも設置できる「軽量かつフレキシブル」「安価で高性能」などの条件を満たす次世代型太陽電池が必要です。東京大学瀬川研究室では、このような条件に合う新しい太陽電池(ペロブスカイト太陽電池、量子ドット太陽電池、多励起子生成太陽電池、蓄電機能内蔵太陽電池など)の研究を幅広く進めています。 なかでも注目されているのは、「有機金属ハライド」の「ペロブスカイト結晶」を光吸収層に用いたペロブスカイト太陽電池です。これは、2012年の最初の報告以来、世界の次世代太陽電池研究の中心的な存在となっています。有機金属ハライドペロブスカイトは直接遷移型で吸収係数が高く、1マイクロメートル以下の厚さでも100%可視光を吸収することができ、光吸収によって生じた励起子が簡単に解離して電荷分離が起こり電子輸送層とホール輸送層に効率よく移動できるため、太陽電池材料としてはまさに理想的な材料と言えます。このペロブスカイト太陽電池には世界中で様々な改良がくわえられ、どんどん性能が向上していますが、当研究室では遂に世界最高レベルの27%を超える光エネルギー変換効率を実現しています。このペロブスカイト太陽電池は塗布プロセスで製造できるため、将来的な低コスト化も期待されています。 経済安全保障の関係では,光吸収層の重量の約6割を占めるヨウ素が国産調達できる点も強みです。ヨウ素は日本が世界生産量2位でシェアは約3割あります。さらに、ペロブスカイト太陽電池の発電層の厚さは1マイクロメートル以下で十分なため、1メガワットのモジュール製造に必要なヨウ素の量はわずか十数キログラムです。日本政府も2050年のカーボンニュートラルをめざして再生可能エネルギーを最大限活用する方針を表明していますが、2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、2040年までにペロブスカイト太陽電池を20ギガワット導入する目標が明記されています。当研究室では、さまざまな国内企業と連携しながら、その実現に向けて研究開発を進めています。 ⇒ 東京大学 UTOKYO VOICES 069 ⇒ 科学技術振興機構(JST) サイエンスポータル ⇒ AFP通信 BB NEWS ⇒ 島津製作所「ぶーめらん」 ⇒ 田中貴金属グループ産業事業グローバルサイト ⇒ TEPCO EMIRA 連絡先
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